どんな弁護士を採用したいか?
弁護士採用の本質を理解する
まず、「採用する」とは何を意味するのかを考えてみましょう。それは「契約を結ぶ」ことに他なりません。アソシエイト弁護士の契約形態は、法律事務所によって雇用契約か業務委託契約と異なりますが、いずれも双方に義務と対価が伴う関係、つまり双務有償契約です。アソシエイト弁護士は、研修生でも、お客さんでもありません。一人のプロとして、契約相手である採用側にどのような価値を与えられるかを考えなければなりません。
では、本題に移りましょう。「自分が経営弁護士だったら、どんな弁護士を採用したいだろうか?」
一見、抽象的に感じるテーマですが、非常に重要な問いです。皆さんも一緒に考えてみてください。
採用するための二つの要素
弁護士を採用するには、まず採用のニーズを理解していることが必要です。これこそが、あらゆる具体的な行動の指針になります。さらに、そのニーズに対して具体的な行動を取る力が求められます。頭で理解しているだけでは意味がなく、実際の行動が伴わなければ、採用側には価値を提供できません。
では、その「ニーズ」とは何でしょうか?そして、ニーズに応えるためにはどうすればよいでしょうか?
こうした思考と行動ができる弁護士こそ、採用を検討するべき人物といえるでしょう。
誰のニーズに応えるべきか?
ここで「ニーズを掴む」という概念をもう少し深掘りしてみましょう。誰のニーズを理解する必要があるのでしょうか?
この問いに対しては、「ボス弁護士」「アソシエイト弁護士」「依頼者」の三者関係でシンプルに考えるとよいでしょう。
ボス弁護士にとってのクライアントは誰でしょうか?当然ながら、依頼者です。
では、アソシエイト弁護士にとっての真のクライアントは誰でしょうか?ここに誤解があると、ボスとアソシエイトの関係はうまくいきません。
重要なのは、依頼者はアソシエイトに仕事を依頼しているわけではないということです。依頼者はボス弁護士に信頼を寄せ、相談しているのです。
つまり、アソシエイト弁護士の真のクライアントは依頼者ではなく、ボス弁護士です。アソシエイトとボスの間には、雇用契約または業務委託契約という関係が存在し、アソシエイトの役割は「依頼者のニーズに応えるべきボスのニーズ」に応えることなのです。
弁護士としての存在価値
依頼者のニーズにどう応えるかが、弁護士としての存在価値を決定します。例えば、「A先生に質問したら、分かりやすく、痒いところに手が届くアドバイスをもらえ、対応も迅速で、具体的な行動まで指示してくれる。満足度120%です!」といった評価を依頼者から得ることができれば、弁護士としての価値は非常に高いと言えるでしょう。
依頼者のニーズをただ満たすだけの弁護士と、さらに感動を与えるレベルの価値を提供できる弁護士、どちらが理想的でしょうか?もちろん、答えは明らかです。
ボス弁護士が前者であれば、アソシエイトも依頼者のニーズを単に満たせばよいかもしれません。しかし、ボス弁護士が後者、つまり感動を提供するタイプの弁護士であれば、アソシエイトが応えるべきは「ボス弁護士のニーズ」です。なぜなら、ボスが依頼者に提供したいサービスをアソシエイトが支え、実現することで、依頼者に対してより高い価値を提供できるからです。